ブラックホーク・ダウン スペシャル・エクステンデッド・カット(完全版) [DVD] ポニーキャニオン 2006-12-22 by G-Tools |
■調査レポート ■予告篇使用曲
■コンポーザー ■サントラ ■サントラ未収録
■映画と実際の戦闘
※調査結果に関しては各自今一度ご確認ください。itunes等の楽曲ダウンロード購入に関しましては、試聴後、個人の責任において行っていただきますよう宜しくお願い申し上げます。
■調査レポート
今回の調査リポートは長い……これまででおそらく一番長い。コンポーザーがハンス・ジマー
だったり、実際の戦闘に触れたりしたのでとにかく話が長くなった。コンポーザー・インデックス作成の必要性を感じたりしている。
さて音楽面ではスコアとアーティスト系楽曲の国籍の違いに注目しました。
今作のコンポーザー、ハンス・ジマーはもちろん、予告篇ではクラシックのヒンデルを使用とインスト・スコア部分はドイツの感性を感じます。
逆にアーティスト系の楽曲はボブ・ディラン、モービー、Dave Matthews Band、エルビス・プレスリーとアメリカ勢がズラリ。言いたいことは俺達が言う、といった感じなのだろうか?(深読み)
劇中使用で注目は「Voodoo Child (Slight Return)」。これジミ・ヘンドリクスだと思ったら、プレイしているのはなんとスティービー・レイヴォーンだったりする! これ驚きですし、フルで聞いてみたくなりますよね!?
調査の最後に実際の戦争エピソードをまとめていますが、ソマリアで何があったのかを少しでも理解すると、この映画の見方が、ヘタをすると180度変わる可能性があるかも!? とくにガリソン少将は悪者じゃ無いという事がお分かりいただけるかと(サム・シェパードがこの役を引き受けた理由を思うとその男気がカッコ良すぎる……)
・さて、この記事にはミリタリー(銃器情報)をあえて加えてません。それはなぜか? 私が絶対戦争反対派だからです。これまで架空のアクション映画に関しては積極的にそういう情報も書いていましたが、それはキャラクターにどういうウェポンを持たせるのか? いうことがキャラクター造形に置いて重要なポイントを占める場合があるためです。ですが実戦がモデルとなれば話は別。確かにこの作品でもデルタが使用した銃器がとか、あの軍服はこの後モデル・チェンジされてとか話せる内容はありますが、その部分は世界情勢に直結するミリタリーバランスの話になってきます。それを知識だけで語ることはどうしても私個人としては出来ない(面白半分にしてはいけないような気がする)ので、あえてこの記事からは省きました。ご容赦くださいませ。(ミニガンの話はT2で、RPGの話はメタルで話すほうが楽しいものね!)
映画が教えてくれた大切なこと 淀川 長治 ティービーエスブリタニカ 1995-12 by G-Tools |
■予告篇使用曲
【Tesar(特報)】
・Bob Dylan「Knocking on Heaven's Door(天国への扉)」
ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン ボブ・ディラン ソニーレコード 1997-08-06 by G-Tools |
・本作のスコアを描かれたハンス・ジマーから
映画「Gladiator」
Gladiator Hans Zimmer & Lisa Gerrard Decca 2005-09-05 by G-Tools |
【本告】
クラシックから。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル/ Georg Friedrich Handel
(ドイツ人という点で本作のスコア、ハンス・ジマーと共通点がある)
・ハープシコード組曲「Sarabande」
Youtube!
http://www.youtube.com/watch?v=Js3y6ouy1rQ
・Mobyの曲が2曲使用されている
「Why Does My Heart Feel So Bad」
Youtube!
http://www.youtube.com/watch?v=dBCkoDJkIOc
「Natural Blues」
※この曲に関しては使用されていないバージョンがある
Play Moby EMI Europe Generic 2002-10-17 by G-Tools |
【ショートバージョン】※日本未公開
Dave Matthews Band 「The Space Between」
Space Between Dave Band Matthews 2001-10-16 by G-Tools |
■コンポーザー
ハンス・ジマー / Hans Florian Zimmer
泣く子も黙るハリウッド映画音楽界のドン! というと大げさかもしれませんが、大ヒット作品のほとんどが彼、もしくは彼率いる映画音楽家集団RC(リモートコントロール)によるスコアと言っていいでしょう。特に大ヒットメーカー・プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー作品のスコアはすべて彼らが手がけていると思ってOKです(違うスコアメーカーが手がけた場合、それこそ姉さん事件です!)
日本だと映画「バックドラフト」のテーマ曲が一番有名かもしれませんが(料理の鉄人オリジナルじゃあないのだよ)2011年現在53歳ですから、まだまだ彼の大躍進は続くのです。
先ほどヒンデルを紹介した際にも触れましたが、ハンス・ジマーはドイツ出身。映画「レインマン」でその名を広く知られるようになります。「ライオンキング」でアカデミー賞受賞。「グラディエーター」ではゴールデングローブ賞と、この他にもたくさんたくさん、これでもか! と言わんばかりの受賞歴の数々。
最近ではRCに所属する後進コンポーザーのプロデュースに忙しいのか、余程の超大作でないとコンポーザーとしてクレジットされることがなくなり寂しい気もしますが、数多くの才能ある若手コンポーザーを抱え、一つの企業体としてRCを存続させていることや、多くのコンポーザーが彼の元から巣立ったことを考えると、これまでにない新しいタイプのコンポーザー、言ってみれば「ジョージ・ルーカス」ととても良く似ているというか、「ビジネスマン」としての才能も豊かなタイプのコンポーザーとい言えます。
・代表作
「レインマン」「パーレーツ・オブ・カリビアンシリーズ」「M:Iシリーズ」「ダビンチコード・シリーズ」「インセプション」「ライオンキング」「ブラックレイン」他多数
・RC関連のコンポーザー
ハリー・グレッグソン・ウィリアムズ
クラウス・バデルト
スティーヴ・ジャブロンスキー 他多数
・ハンス・ジマー オフィシャルサイト
http://www.hanszimmer.com/
・オフィシャルMySpace
http://www.myspace.com/hanszimmermusic
・オフィシャルFacebookページ
http://www.facebook.com/pages/Hans-Zimmer/7170054127
・Remote controlオフィシャルサイト
(関係者のみログイン。参考まで)
http://www.remotecontrolproductions.com/
・Remote controlファンサイト
(試聴他かなり参考になるサイト)
http://www.hans-zimmer.com/fr/newsite.php?rub=rcprod
・itunesで配信中のハンス・ジマー
■サントラ
Black Hawk Down Hans Zimmer Decca U.S. 2002-01-15 by G-Tools |
全15曲のフルスコア! 世界観を壊すこと無く、スコアとアーティスト曲のバランスが非常に良い。こういうサントラは大歓迎。
ですが、まだこれでは足りてません。RC所属のコンポーザーが書いたものは()内に表記しました。またこの映画の時はまだハンス・ジマー率いるRC(リモートコントロール)のは、前進時代で「メディアベンチャーズ」としてクレジット表記されています。
1. Hunger
2. Barra Barra - Rachid Taha
3. Vale Of Plenty
4. Chant
5. Still
6. Mogadishu Blues (Heitor Pereira)
7. Synchrotone
8. Bakara (Jaff Rona)
9. Of The Earth
10. Ashes To Ashes
11. Gortoz A Ran-J'Attends - Danez Prigent & Lisa Gerrard
12. Tribal War
13. Leave No Man Behind
14. Minstrel Boy (film version) - Joe Strummer & The Mescaleros
15. Still Reprise
【ENDクレジット上表記があり、サントラに含まれていないスコア】
Michael Brook 「PINNED DOWN」
Craig Eastman 「VEILS」
Martin Tillman 「Reve Arabesque」
Mel Wesson 「Ascent」
Hans Zimmer & Baaba Maal 「WINGS」
■サントラ未収録曲
・Elvis Presleyから2曲
「Suspicious Minds」
「You're the Devil in Disguise」
Elv1s - 30 No.1 Hits Elvis Presley Bmg / Elvis 2002-09-24 by G-Tools |
・Stevie Ray Vaughan 「Voodoo Child (Slight Return)」
Couldn't Stand the Weather: Legacy Edition Stevie Ray Vaughan Sony Legacy 2010-07-30 by G-Tools |
http://www.youtube.com/watch?v=1GSpbuFSr2o
・Badawi 「Tall King Dub」
Jerusalem Under Fire (RUSCD8234) Badawi ROIR 1997-09-16 by G-Tools |
・Days of the New 「Die Born」
Definitive Collection Days of the New Geffen Records 2008-03-04 by G-Tools |
・House of Pain 「Jump Around」
Shamrocks and Shenanigans: the Best of House of Pain and Everlast House Of Pain Rhino / Wea 2004-02-09 by G-Tools |
・Stone Temple Pilots 「Creep」
Creep Stone Temple Pilots Unknown Label 1994-09-14 by G-Tools |
・Faith No More 「Falling to Pieces」
Real Thing Faith No More Reprise / Wea 1989-06-15 by G-Tools |
・Alice in Chains 「Right Turn」
Sap Alice in Chains Sony 1995-03-21 by G-Tools |
http://www.youtube.com/watch?v=-u8Z8T2Tt4g
・Omar Sharif でクレジットされている2曲(Youtube!)
「Dhibic Roob」「Ul Iyo Dirkeed」
一瞬だけ米軍側のスパイ、アブディがクルマでマーケット内を走る際にラジオから聞こえていた曲。Omar Sharif というとあの「アラビアのロレンス」、エジプトが生んだ名優オマー・シャリフ。なんとも意味深です。imdbにも曲が使われた事が記載されています。
Omar Sharif :imdb
http://www.imdb.com/name/nm0001725/
■基地で見ていたTV
・ビールズが基地で見ていた「俺の好きなシーン」の映画。
スティーブ・マーティン主演の1979年ユニバーサル映画「天国から落ちた男 / The Jerk」
Youtube!
http://www.youtube.com/watch?v=ANph32LoXR4
天国から落ちた男 [DVD] スティーブ・マーティン ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005-09-23 by G-Tools |
・ENDクレジットを確認するとマイケル・マン監督作品「ラスト・オブ・モヒカン」も確認できたが、どこで流れていた?のか何度観直しても解らない…… 流れていたとすれば基地以外にはありえないが。
ラスト・オブ・モヒカン [DVD] ポニーキャニオン 2000-03-17 by G-Tools |
■映画と実際の戦闘
ブラックホーク・ダウン〈上〉―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録 (ハヤカワ文庫NF) マーク ボウデン Mark Bowden 早川書房 2002-03 by G-Tools |
劇中で「極秘作戦」と表現されていた理由は、民兵を率いるアイディード将軍逮捕任務にある。
作品中では語られていないが、当時の米大統領ビル・クリントンが、ソマリア民間人の飢餓を救うため、国連とは無関係に、アメリカ独断で軍事介入し遂行した作戦から劇中では極秘作戦という表現で扱われているのだ。映画だけを見ると軍部が勝手に何かやっている? ように見えてしまうが、そう言うことではない。ヘリ墜落の際にすぐ近隣国軍隊へ救援を頼めないのも、サムシェパード演じる指揮官ガリソン少将が全部悪いようにみえるが、全くそういうわけではないのだ。(再構成された「真実」はこういう誤解が一番コワイ)
個人的な話、冒頭のガリソン少将とミスター・アットの会談シーンが好きだ。アットがキューバ産葉巻を法律上吸うことが出来ないアメリカ人へ勧める軽いジャブ。「こっちのほうが最高さ」とガリソン少将はアメリカ産葉巻を取り出す……
アメリカ産とキューバ産葉巻を揺らしながら極秘会談をさせるというこの演出の憎らしさがたまらない。
ちなみに会話から察するに、この時吸っていたキューバ葉巻はボリバーである。
http://www.kurayoshi.co.jp/p_cigar/cuban/bolivar.html
・この戦闘で後々まで議論の対象となるのが軍の命令系統に関する話だろう。映画の中でも描かれているが上からの命令を待っていたのでは現場での即時対応が間に合わず、戦場の兵隊が命を落としてしまう。最前線の兵士が自ら現状を判断し、最良の選択を図れるように出来ないか? という命令系統変更に関する議論を加速させた。
その後実際にどこまで米軍の命令系統が変化し、兵士への独断行動が許されているのか、公式な発表もないので定かではないが、映画の中にもあるように。迷路のような街中で壮絶な市街戦が起きた場合に、米軍のこれまでの常識が全て崩壊したことは言うまでもない。
<以下Wikipediaより。映画に関してはかなり詳細な後日談が掲載されているので一部分を抜粋した。Wikipediaのページに行くともっとたくさん読める!>
・劇中では特に触れられていないが、実際には作戦の一週間前に1機のブラックホークが既に撃墜されており、米兵たちの間では緊張が高まっていた。また作戦当日、劇中で描写された撃墜された3機以外にも、さらに1機のブラックホークが被弾・不時着し、そのまま飛行不能となっている。
・映画ではブラックホークがRPG-7による攻撃を避けようとした拍子に高度からの降下等が示唆されている。RPG-7は対戦車火器としては速度が遅い方だが、弾頭は装薬によって砲身から飛び出した直後に推進用ロケットに点火する方式で、初速は劇中の描写よりずっと速く、目視距離で発射を目撃した後で命中軌道から回避するのは現実的にはほぼ不可能である。(通常、所持・構えた敵兵を発見した時点で回避行動がとられる)
・車両部隊への襲撃で、RPGの直撃でデルタ隊員(ティム・“グリッツ”・マーティン)が重傷(下半身喪失)を負ったとき、オシックが、千切れた左手を見つけ自分のポーチに回収しているが、これはその後、トラック運転席でRPG(不発)に左ドアから貫かれ切断されたコワルスキィの腕である(グリッツの左腕は無事な事が画面上でも確認できる。負傷した状況は原作通りだが、手はオシック以外のレンジャー(アーロン・ハンド)が見つけ、デルタ隊員がコワルスキィのポケットに入れた)。つまり、映画では何故か手を回収するシーンだけが前の別のソーンに繋げられている。グリッツ、コワルスキィ共に戦死しているが、基地に戻った時点では両名とも意識は無かったものの生存していた。
・エンドロールにて米兵の戦死者19名の氏名が表示されるが、作戦「当日」の戦死者は18名である。残る1名は後日、米軍基地に対する迫撃砲攻撃で死亡した(マット・リアソン)。当日撤退時にPKF側で戦死したマレーシア兵を含めると19名にはなるのだが、エンドロールには書かれていない。
・93年に実際にこの作戦に従事して無事帰還したアーロン・A・ウィーバーというレンジャー隊員が居る。彼は補給任務に就いていたので原作の作戦参加将兵リストに記載されていないが、ブラックホーク墜落の報を受け現場へ救出に向かっている。映画の終盤でデルタ隊員にコーヒーを手渡す役という形でカメオ出演していた。彼は2004年のイラクのファルージャにおいて、ヘリでの移動中に撃墜されて死亡した。元隊員達によるDVDオーディオコメンタリーによると、他にも元隊員のカメオ出演がある。「ディトマソ」と無線で呼ばれるチョーク班長、墜落現場へ急行するOH-6リトルバード「スター41」のパイロット、再び出撃するストルッカー軍曹の車両隊に飛び乗る眼鏡をかけた隊員などである。
・隠された事件(ちょっとこれは……)
ブラックホーク・ダウンに登場する兵士のモデルになったアメリカ陸軍兵士ジョン・ステビンズ(36)は、2000年6月、12歳未満の少女(6歳の実の娘)を強姦した罪で懲役30年を言い渡され服役となったが、軍はこの事実を隠すため原作者マーク・ボウデンにキャラクター名を変えるように圧力を掛けていた。その結果、役名が「ジョン・グライムズ」と変わっている。この真相を知っていたのはボウデン本人のみで、撮影スタッフの中でも、配役のユアン・マクレガーはおろか、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーやリドリー・スコット監督にも一切知らされていなかったという。
ウィキペディアの執筆者. “ブラックホーク・ダウン”. ウィキペディア日本語版. 2011-02-11.http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3&oldid=36311646, (参照 2011-02-13).
【実際の戦闘】
当時のソマリアを知らせるCBSのニュース映像がYoutube! に残っていた。この他にもアイディード本人の姿が写った映像Youtube!には多数あり、「Somaria1993」のタイトルやタグで多数UPされている。当時の米軍キャンプ内の映像まであった。興味のある方は調べてみてはどうだろう?
・Youtube!
http://www.youtube.com/watch?v=UMW8VSMZ5uY
<以下Wikipediaより、実際の戦闘記録>
モガディシュの戦闘(モガディシュのせんとう)は、1993年10月3日、ソマリアの首都モガディシュにおいてアメリカ合衆国軍とソマリア民兵とのあいだで発生し、のちにアメリカがソマリア内戦介入から撤収するきっかけとなった事件である。戦闘の激しかった地域の名を取って「ブラック・シーの戦い」とも呼ばれる。なお、撃墜された2機のMH-60 ブラックホークのうち1機目が海の近くに墜落し、第一墜落地点が激戦地となった。
ウィキペディアの執筆者. “モガディシュの戦闘”. ウィキペディア日本語版. 2010-11-22.http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%A2%E3%82%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%AE%E6%88%A6%E9%97%98&oldid=35074917, (参照 2011-02-13).