ユー・ガット・メール 特別版 [DVD] ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21 by G-Tools |
■調査レポート ■予告篇使用曲 ■コンポーザー ■サントラ ■サントラ未収録
■続編が見てみたい、あの大型書店のその後
※調査結果に関しては各自今一度ご確認ください。itunes等の楽曲ダウンロード購入に関しましては、試聴後、個人の責任において行っていただきますよう宜しくお願い申し上げます。
■調査レポート
・トム・ハンクス、メグ・ライアン主演で大ヒットした映画「ユー・ガット・メール」。公開当時、インターネット創世記にメールから始まる恋の物語で話題に。携帯電話もあまり普及しておらず、個人がブログやHPを持つことなんて考えてもいない、ましてやSNSもない時代ですから、インターネットで何が出来るのか? まだ誰もぴんときていない時に、ネット回線 = 赤い糸としてしまう夢のあるお話なわけです。犯罪に巻き込まれたりもしません。とにかくお話全体が甘い甘い匂いに包まれているわけですが、現実に顔を合わせると敵対関係にある2人がメール上では惹かれ合っていくという非常に分かりやすいラブ(コメディー?)ストーリーです。
なんで今さらこの映画を取り上げたのか? 実は最近昔買ったDVDが出てきて、今さら初観したこともあるのですが、現代でも全然通用するよくできたお話に感心したということがあります。また、最後に別項目で詳しくお話しますが、電子書籍の大躍進で全米大手書店チェーンが倒産してしまったので、気になったタイミングだったのです。
・音楽面では予告篇使用曲に注目。Jazzピアノトリオ・Bolling Concertoによる演奏が心地良く耳に残り、スティービーワンダーがシャウトし、トニー・ベネットがムードを醸しだす。
サントラに収録され劇中で使用されたクランベリーズ「Dreams」が世界的に有名となり、こちらの曲は「ミッション・インポッシブル」のラストシーン、「恋する惑星」予告篇でも耳にすることができます。
アメリカ富裕層を描いた映画でありながら、舞台はブルックリンだけに、ニューヨークらしい人種の坩堝感を音楽のセレクトからしてうまく表現している。(メグ・ライアンの役柄は小さな書店に務めているだけで決して貧困層ではないことにご注意!)
<以下はWikipediaより引用>
街角 桃色の店 [DVD] FRT-143 ファーストトレーディング 2006-12-14 by G-Tools |
この映画は1940年に製作されたエルンスト・ルビッチ監督の『街角/桃色(ピンク)の店』のリメイク作品。時代を反映して元映画の「手紙で文通」の設定が「インターネットでメール」に置き換えられた。
ウィキペディアの執筆者. “ユー・ガット・メール”. ウィキペディア日本語版. 2011-02-01.http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB&oldid=36143759, (参照 2011-02-18).
■予告篇使用曲
【本告】
・The Marvelettes 「Please Mr Postman」
Please Mr Postman Marvelettes Motown 1992-02-10 by G-Tools |
・Tony Bennett 「Just in Time」
※Jazzゆえ、様々なバージョンがあるので参考まで。
Duets: An American Classic Tony Bennett Sony 2006-09-26 by G-Tools |
・Stevie Wonder 「Signed Sealed Delivered / 涙をとどけて」
Signed Sealed Delivered Stevie Wonder Motown 1992-02-03 by G-Tools |
【公開時オリジナル予告篇】
・Bolling Concerto 「Hispanic Dance(With A Blue Touch)」
Concerto for Classic Guitar & Jazz Piano Claude Bolling Alexandre Lagoya Milan Records 1993-09-14 by G-Tools |
http://www.youtube.com/watch?v=8wnzppeweCg
・Stevie Wonder 「Signed Sealed Delivered / 涙をとどけて」
※上記と同じ
【インターナショナルバージョン】
The Cranberries 「Dreams」
映画内でも使用されており、日本ではこの曲を使用したバージョンがより多く流れていた。
スターズ:ザ・ベスト・オブ・クランベリーズ ザ・クランベリーズ ユニバーサル インターナショナル 2002-09-21 by G-Tools |
■コンポーザー
・ジョージ・フェントン / George Fenton
イギリスはロンドンが生んだ生粋の音楽家。手がけたフィルモグラフィーを見ると非常に幅が広くTV映画のスコアも手がける。「ガンジー」「恋はデジャブ」「メンフィス・ベル」「アンナと王様」他多数。
アカデミー賞ノミネート4回。BMI Film&TVアワードでは常連で「ユー・ガット・メール」を含め、これまでにノミネートされた4作品全てが大賞を受賞している。
2002年「The Blue Planet」で、BAFTAアワード及びエミー賞を受賞している。
・imdb
http://www.imdb.com/name/nm0006070/
・iTunesで配信中のGeorge Fenton
■サントラ
ユー・ガット・メール オリジナル・サウンドトラック | |
ジョージ・フェントン サントラ シンニード・オコナー キャロル・キング ビリー・ウィリアムス ジミー・デュランテ ザ・クランベリーズ ボビー・ダーリン ルイ・アームストロング ロイ・オービソン イーストウエスト・ジャパン 1999-01-25 売り上げランキング : 9889 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
http://www.youtube.com/watch?v=s8j0VLrjmf4
ジョージ・フェントンのスコアも収録されたバランスの良いコンピレーションアルバム。
全15曲収録の名盤
1. Puppy Song - Harry Nilsson
2. Dreams - The Cranberries
3. Splish Splash - Bobby Darin
4. Dummy Song - Louis Armstrong
5. Remember - Harry Nilsson
6. Dream - Roy Orbison
7. Rockin' Robin - Bobby Day
8. Lonely at the Top - Randy Newman
9. Signed, Sealed, Delivered I'm Yours - Stevie Wonder
10. I Guess the Lord Must Be in New York City - Sin ad O'Connor
11. Over the Rainbow - Harry Nilsson
12. Anyone at All - Carole King
13. I'm Gonna Sit Right Down (And Write Myself a Letter)
- Billy Williams, Billy Williams, Billy Williams
14. "You've Got Mail" Suite - George Fenton
15. You Made Me Love You - Jimmy Durante
■サントラ未収録
・The Paulette Sisters 「Never Smile At A Crocodile」
Youtube!
http://www.youtube.com/watch?v=7HkBW_FgobM
・ブロードウェイミュージカル「アニー」より
「Tomorrow(From The Broadway Musical ANNIE)」
※子どもが張り切って歌っていた歌。アニーてまた、どこまで富裕層やねん!
・Joni Mitchellの曲が2曲クレジットされています。
「River」 「Both Sides Now」
・劇中のインスト曲は即興演奏の模様で、ENDクレジットにも「「The Instrument Song」」と表記されている。
演奏していたのは、Jean Stapleton, Steve Zahn, Meg Ryan, Greg Kinnear and Heather Burns。
■リメイク版が見てみたい! あの大型書店のその後
2011年2月17日、全米第2位の有名大型書店チェーン「ボーダーズ・グループ」が倒産しました。このニュースを聞いた時この映画のことを思い出したわけです。
産経新聞ニュース
http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C9381959FE3E5E2E3948DE3E5E2E0E0E2E3E39C9C91E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2
映画の中でトム・ハンクスが経営する大型書店は、ありとあらゆる書籍在庫を取り揃えるだけでなく、店内にカフェ(スタバ)を備えて街の交流拠点としても機能し、購入前の立ち読みどころか座り読みさえも可能にするという、今ではよく見かける大型書店ならではの「本を買ってもらうための」経営アイディアで街の小さな書店を淘汰していきます。
私はこの映画を見ていて、トム・ハンクス演じる経営者が決してやなヤツには見えず、その経営手腕に感心してしまったのですが、電子書籍までは予想できてなかったのかな……と時代の流れに少々切ないものを感じていたのです。
が、なななんと! この映画のモデルになった書店はこの時代でもやはり勝ち組だったのです!!
・ユー・ガット・メールのモデルとなった全米大型書店全米第1位「バーンズ&ノーブル」
バーンズ&ノーブル / Barnes &Noble
http://www.barnesandnobleinc.com/
この大型書店チェーンはユー・ガット・メールそのまんまです。
業績が良く、現在全米に777店舗を構えています。昨年の夏には身売りの話や、電子書籍が業績不振に影響を与えているという報道もありましたが、これは誤報。
現状はというと、電子書籍の取り扱いでは全米市場において、AmazonのKindleを完全に抜いています。
バーンズ&ノーブル がAmazonの2年遅れで市場投入した電子書籍リーダー「Nook」は開始時点で70万冊を配信+Googleと提携し無料書籍50万冊と、計120万冊をいきなり配信。
PC、Mac、iPhone他各種スマートフォンからでも閲覧できるリーダー・アプリケーションを無料配布し、閲覧できる端末の制限を無くしたことでKindleをあっという間に追い抜いてしまったそうです。(Apple、itunesのやり方に似ているなあ……)
ここで賢いのが、まずは全米しかターゲットにしていないこと(書籍購入や電子書籍閲覧アプリは日本からも入手可能です) Amazonを相手に勝負するにもかかわらず、販売している商品全体の種類も違うので、あえて直接対決となる「世界展開」をせず、全米において、電子書籍でもやっぱり「バーンズ&ノーブル 」というブランディングをきっちり行ったことが、業績回復に功を奏しており、さすがだなあと思いました。
とはいえ最終的には赤字決済になってはいるので、今後どういう経営手腕を見せてくれるのか気になるところですし、もしかしたらあえなく……という最悪の事態も完全に免れたわけではありませんが、その都度手を打ち見事なハンドリングで企業経営をしていることは確かです。
・もしこの続編が制作されたら!? トム・ハンクスが電子書籍販売に乗り遅れ経営難になって、全米第2位の書店チェーンから買収騒ぎなんかが起こるわけですよ。でもってメグ・ライアンがFacebookやらtwitterやら駆使して昔の人脈もなんもかも巻き込んでニューヨークから始めた電子書籍リーダー「むっく(仮)」のセールスプロモーションが大当たり! 一気に市場を取り戻し全米第2位を駆逐する! ってあんまりシャレになってない……? (あくまでリメイクされたら? という仮のお話なので信じないように)