生存者たち DVD-BOX 角川映画 2011-01-07by G-Tools |
■BBC公式サイト
http://www.bbc.co.uk/programmes/b00q3gk5
■Huluではシーズン1が配信中(2012年4月現在)
http://www2.hulu.jp/survivors
ゾンビより恐い!? 実際に起こりうる大事件と、肌で感じさせる、リアル・シュチュエーション・サスペンスに腰が抜ける!
ウイルスにより人類が死滅 = ミラ・ジョボビッチ…… もとい! ゾンビという、バイオハザード的展開ばっかりだった昨今、いやいや、人死んだだけの方が恐くね? という、アイ・アム・レジェンドにもなれやしない状況を生み出してしまったのがこの「 SURVIVORS 生存者たち 」
1970年代にイギリスで放送された熱狂的ファンを持つカルト・ドラマ「 SURVIVOR 」のリメイク作品。
※オリジナル作品「 SURVIVOR 」IMDB
http://www.imdb.com/title/tt0072572/
とてつもない拡散率と致死率をもった細菌が蔓延し、人類の99%が死滅。
朝目が覚めたら生きていたのは自分だけ。ライフラインもすべて停止した世界で、数少ない生き残った人々の戦いが始まります。(でも毎回新たな登場人物が出てくるくらい、意外と生き残ってはいる)
なぜ自分たちだけが生き残ったのか?
この最大の謎を残しつつ、それよりもまず自分の足下を固める事で精一杯な登場人物たち。
ガソリンが無ければクルマも走らない、食料も供給されない、こういうのは「ゾンビ物」では意外と無視されてきた細かいディティール部分。 探しにいく=ゾンビと出会うというような展開ではないので、そこで何が起きるのか? それこそ予想不可能。 この非常時に非常識な人間と出会い、致命傷となる、飢え、渇水と忍びより恐怖がは数知れず。
普通の主婦が、子供が、老人が、文明のおかげで知らぬまにつながり合っている。それでこそ文明社会が成り立っていたわけですが、人と人とのつながりが急激に途絶えた事による恐怖と絶望、そして狂気こそが主題。
この物語は文明批判というよりは、まさに「人間」その物にスポットが当てられているのです。
何が生きていく上で大切で、何が弊害となり、何がトラブルを生むのか? 善と悪の観念さえも、どんどん覆されていきます。
文明が破壊されたとしても、なまじ知識や考えを持った「 人間 」が生き残っているからこそたちが悪いという、なんでしょう、こうも仲良く出来ないもの? こうもうまく人間同士ってつながり合えないもの? と、連続視聴すると "かなり疲れてくる" とともに、いろんな生きるすべ、考え方ってあるもんだなあ、と脚本の練り込まれ方に驚いてしまいます。
この作品を通して自分の持つ常識や価値観が完全に打ち壊される事間違い無しです。
生き残った人間同士が共存するのは、ゾンビと戦うより、難しい・・・
※以下、調査結果に関しては各自今一度ご確認ください。itunes等の楽曲ダウンロード購入に関しましては、試聴後、個人の責任において行っていただきますよう宜しくお願い申し上げます。
■コンポーザー
Edmund Butt / エドモンド・バット
1968年、イギリス生まれ。
イギリスのTVドラマ・シーンで活躍するコンポーザー
・IMDB(※オフィシャルサイトは現在休止中)
http://www.imdb.com/name/nm0125220/
・itunesで配信中のEdmund Butt
■サウンドトラック
※現在海外・日本とも発売無し
■劇中使用曲
#1
※このシリーズ、英語原題タイトルは特にありません。
丁寧にウィルスがなぜ蔓延したのか? を見せてくれる第一話。ちょっとダニー・ボイル監督の「28日後」とか、あの辺のテイスト入ってます。
・クラブシーン
LCD Soundsystem 「 Daft Punk Is Playing at My House 」
Daft Punk Is Playing at My... Lcd Soundsystem Dfa 2005-02-28by G-Tools |
・高級マンションの一室で流れていた曲
Radiohead 「 Talk Show Host 」
Youtube!
http://youtu.be/yU7sUENatUU
ザ・ベスト・オブ(2CDエディション) レディオヘッド EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) 2008-05-28by G-Tools |
・ハイウェイでサッカー
Alberta Cross 「 Lucy Rider 」
Youtube!
http://youtu.be/R7zq7oWPrXo
Lucy Rider (Acoustic) Alberta Cross I-Label 2010-01-18by G-Tools |
#2
人間同士そう簡単にはうまくいかない。という、ある意味想定内のストーリー
ただしこの話を通して、1話目で要注意人物だった男の人格が、視聴者に取って善人にすり替えられていくところが一番のミソ!
※スコア以外の劇中使用曲無し
#3
安心感と狂気が入り乱れる酷い展開に。
人間の行動、特に偽善や裏の顔、本性といった、人間の持つ駄目な部分にスポットを当てている作品ならではの面白さが見られる。
・カーステレオから
Massive Attack 「 Sly 」
sly massive attack Wild bunch 1994by G-Tools |
#4
なにがすごいって、この作品、回を増すごとに、誰も信じられなくなっていく。
まともな奴なんて一人もいないんじゃないのか? それぞれの思惑になんかはまりたくもない! という気持ちでいっぱいになるのだ。 そういう意味では、作品の意図にまんまとはまっていくわけですが……
※スコア以外の劇中使用曲無し
#5
女性とともに暮らす「伝道師」なる……
精神世界に迷い込んだ男の登場と、妊婦という、緊迫した組み合わせのストーリー
※スコア以外の劇中使用曲無し
#6
ついにシーズン1最終回。
「ウォーキング・デッド」もそうでしたが、シーズン1が6話というのは、こういったスケールの大きな終末世界ドラマではちょうどいいんでしょうか?
最終話は「 政府に対する不信感の固まり 」のようなシナリオ。
よくこれだけ元政府の人間が作った、法と秩序を取り戻さんとする「 政府再生組織 」を悪役に出来たなあと、製作者の話の切り込み方に驚きます。
でもそうじゃないと進まない物語というのが何とも皮肉なシーズン・エンド。
各キャラクターの旨味がじわりと引き出されておりますが、ラストシーンの釈然としない感じ、シーズン2も見ないとどうにもなりませんなこれは!
(日本発売のDVD-BOXにはシーズン2も合わせて収録されています)
※スコア以外の劇中使用曲無し