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2006/11/21

番外編・ブラック・レイン デジタル・リマスター版 レビュー

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このブログ本来の筋とはずれるけれど、
どうしてもこの作品のレビューは書きたいと思った。

というより、このレビューは
ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション のレビューだ。

こんなに素晴らしいDVDは今までになかったといえるかえらだ。

本当に素晴らしい内容だ!



記事内容一覧

ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション (初回出荷限定価格)
ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション (初回出荷限定価格)マイケル・ダグラス リドリー・スコット アンディ・ガルシア

おすすめ平均
stars日米刑事仁義
stars全てが最高峰
starsブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション
stars4:3のリマスターが欲しい
stars松田優作は 流していた

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特典映像に感動したのは、その事細かさにある。
リドリースコット監督へのインタビューはもちろん、
音楽のハンス・ジマー、当時撮影監督だったヤン・デボン。
制作陣がずらりと登場し、
ポスプロ(撮影後の編集段階)時のエピソードまで収録されている。
競演の、内田裕也、小野みゆき、ガッツ石松、國村隼、神山繁、島木譲二らの、
撮影エピソードのロングインタビューも興味深く面白かった。
内田裕也は最初から最後までロックを貫いていたり、
小野みゆきはどうやらリドリー・スコットのタイプだったらしい?という話。
(どことなく、エイリアンのシガニーウィーバーっぽいかなとも私は思う)
ガッツ石松がタバコをマイケルダグラスに投げつけるシーン等、
意外にアイディアを出しまくっていたという、
OK牧場からは想像も付かないエピソードの数々。
國村隼は舞台から映画初出演の作品で、
リドリー・スコット監督から学んだ事の多さを語り、
神山繁は脚本の書き換えに苦労していたり、
なにより島木譲二はやっぱり、
とある場所でとある人にぱちぱちパンチをやっていたり!
秘話満載の映像特典なのだ!!
ファンによるインタビューもこれがなかなか良くて、
リリー・フランキーは世界観から作品を捕らえ、
加藤雅也は松田優作の演技から作品を捕らえ、
上田晋也と太田光は非常に一般的なファンの視点というか、
共感できる部分で語っていて見ていて楽しかったし、
そんなに特典映像自体が悪い構成ではなく、
映画をより楽しめる内容になったいた事が素晴らしい。
ただ、私はこれを通してみて、松田優作が感じていたこの作品への思いが、
語り継がれるそれとはある意味で180度異なって見えた事に衝撃を覚えた。
彼は死を予見し、“映画の中で死ぬ事”を望んでいたのかもしれないと・・・
私も含めて、ファンの誰もが、この作品は松田優作にとって完結ではなく、
これから続くストーリーの序章でしかないと思った。
だからこそ、ハリウッドに
名刺を渡したに過ぎないのに死んでしまうなんて惜しいと思い続けていた。
しかし、インタビューを聞いていくと、
その真意はラスト近くの
マイケル・ダグラスとの格闘にこめられていたのかもしれないと思えてしまう。
というのも、このラストシーンは2カット撮られている。
松田優作演じる佐藤が死ぬシーンと、
公開バージョンの逮捕されるという内容だ。
これに関して、マイケル・ダグラスと、
リドリー・スコット監督が、気になることを漏らしている。
これは全く予想だにしなかった解釈だった。
松田優作がガンでありながらそれを隠して撮影に望んでいた事に絡めて、
マイケル・ダグラスは
「あまりに美しい、死を悟ったものの笑顔だ」と。
監督はこの笑みの意味を、
「彼との格闘シーンの最後の不敵な笑みは、
正々堂々と戦ったんだ、殺したいならさあ殺せという意味だ」
殺せといっていたのに、殺さなかったのは惜しかったとまで言っているのだ。

確かにこうも言っている。
彼は素晴らしいキャラクターを演じた、だからこそ、ここで殺すのは惜しく、
少しでも長く生かしておきたかったから、逮捕されるバージョンを撮ったと。
公開版のラストこそが、観客の誰もが、ファンが望み、監督もが望んだ、
もっと生かしておきたいという、
“生きていてほしい”という思いそのものなのではないかと。
けれど松田優作の中では違ったのかもしれない。
最後の映画になると悟っていたのではないか?
そして映画の中で、死んでいく事を、
半ば誇りとも捉えていたのではないかと?
(あくまでも特典映像を見た上での個人的な解釈)
ラストの格闘シーンでの不敵な笑みが、
この特典映像中のインタビューによって、
私には異なるものに見えてきてしまった。
松田優作という俳優の底知れぬ魅力、想像を絶する演技プラン。
その謎に、この特典映像でのインタビューの数々は肉薄している。
ブラックレインという色あせない名作を、
また違う視点から鑑賞する事が出来て、正直私は嬉しかった。
そういった意味でもこのDVDは、特典映像のグレードが非常に高く、
是非ご覧いただきたい内容となっている、一押しのDVD作品だ。

※インタビューの途中でもう一つ気になる話があった。
2時間40分に及ぶ仮編集版の存在。
特別編集版として、いつかリリースされないものかと切に願う。

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