素晴らしい本当に最高に素晴らしい!!
B'zがなんとハリウッドの
「Hollywood's RockWalk」殿堂入りを果たしたんです!!
これは快挙どころか奇跡としか言いようがないほどの出来事であると共に、日本のロックが世界に認められた最高の栄誉であるといえます。
私B'zの松本孝弘さんに憧れてギターを弾き始めたほどの大ファンで、松本孝弘さんが世界的ギターメーカー「Gibson」のシグネイチャーを獲得した時も感動しましたが、それに続いてこの快挙には大興奮です。
ということで、本日は殿堂入り記念という事で、サントラブログらしく、関係あるお話で、「B'z」&松本孝弘さんのこれまでのサントラワーク等々を紹介します!
■「Hollywood's RockWalk」とは?
Hollywood's RockWalk殿堂入りアーティストには、エリッククラプトン、BBキング、ヴァンへイレン、ジミヘンドリクス、Yes、Toto、AC/DC他、数え上げればキリがないほど、ロック好きなら誰もが知っているビッグネームがずらりと並んでいます。
その中に今回「B’z」が並ぶわけですが、そもそも「Hollywood's RockWalk」ってなんでしょう?
Dave Weidermanというドラマーの、ふとした気紛れがRockWalk誕生につながります。
はじまりは彼がロスで80年代に楽器屋を営んだ時、「Doors」のドラマー「John Densmore」に、バスドラムのヘッドにサインを頼んだのがきっかけ。
このことはファンの間で大評判となり、連日多くのファンがDave Weidermanのお店を訪れるようになり、大手楽器店のオーナーRay Scherrという人物の耳にも入ります。
音楽を志すものにとって、いかにプロのアーティストがヒーローであり、集客力があるか。この事実からRay Scherrは、Dave Weidermanに賛同し、もっと多くのロックミュージシャンの記念になるものを集められないか? ロックファンを喜ばせロックを盛り上がらせる方法はないものか? という事で「Hollywood's RockWalk」を設立。ギターを中心に楽器販売で成功を収めていたRay Scherrは、ギタリストやアーティストの手形を「Hollywood's RockWalk」に残していく方法をとり始めます。
殿堂入りすることはロッカーにとっても名誉であり、多くのファンに愛されている証拠。またその手形にファンが手を入れるのを見て、Ray Scherr氏自信も喜んでいたとか。
Hollywood's RockWalkのサイトでは、Dave Weidermanはディレクターとして、Ray Scherrは創設者として名を連ね、さらに詳細な秘話も掲載され、Ray Scherr氏を紹介するムービーもUPされています。
・Hollywood's RockWalkオフィシャルサイト
http://www.rockwalk.com/
■B'zの世界的な活躍
私が始めてB'zの音楽に触れたのが10歳の頃。
活動20周年というから浮き沈みの激しい「消費商売に成り下がった現代のJ-POP」ではそれだけでも偉業。それだけ「本物」だったという事が20周年の今年こういう形で証明された事が素晴らしい。
デビュー当時「TMネットワーク」が売れに売れていて、バックでサポート・ギタリストをしていた松本孝弘が、27歳で結成したのがこの「B'z」だ。
TMとおなじく当時は珍しかったDTM(打ち込み)いわゆるコンピュータ音楽を軸にボーカルとギターのユニットという異例さ、それゆえTMと比べられることに始まり、当時の稲葉浩志のボーカルスタイル等から、あの「BOWY」とも比べられることも多々あった。
「BAD COMMUNICATION」のヒットで一躍有名になるも、「レッドツェッペリン」「ドゥービーブラザース」に似ていると揶揄されたり、「エアロスミス」などにはたびたび似ていると言われ、ロックファンには正直受け入れられていなかったのが当時の現実だった。(これが確かに良く似ているし、オマージュとしてわざとやっている事だと、後に松本孝弘本人も語っている)
・音楽活動の転機となったのが間違いなくこのアルバム「THE 7th BLUES」
THE 7th BLUES Kohshi Inaba B’z BMGルームス 1994-03-02 by G-Tools |
ブルースロック色が強く、コンピューターによる打ち込みをできる限り排除し、生音にこだわって、真のロック魂を炸裂させた名盤である。
稲葉浩志のブルースハープもこの曲から登場する。
2年近い休養の後突如登場したこのアルバムでの変化についていけなかったファンも多かった。
特にボーカル稲葉氏の変化は顕著で、ブルース・ハープを吹き鳴らし、歌い方から何からブルースロックへ色濃く進化したのだが、アイドル的な要素は一切なく、男気あふれるものになっていた。しかしながら男性ファンが急増し、ロックファンが注目するきっかけになった事には一役買ったのではないか?と思う。
このアルバムの成功が、これまで敬遠していたロックファンをB’zに振り向かせた最大の作品であることは事実である。
松本孝弘のギターサウンドも、以前まではYAMAHAのMGM-2シリーズで、エフェクターはロックマンのものを使用し機械的にひずませていたが、この頃からマーシャルやPEAVY等のアンプのみのナチュラルな歪へ変化していく。
現在もこの姿勢は変わらずエフェクターは2種類のみ、ケンタウロス製オーヴァードライブとワウペダル半開きという構成での歪が松本流。(ワウペダル半開きは松本孝弘が尊敬する「マイケルシェンカー」と同じ方法だ)
使用ギターの種類も変化が続き、7thではレスポールを中心に、続くシングルの「ねがい」ではフェンダーテレキャスター、「love me, I love you」では「ヴァンへイレン」が開発したことで有名なギター「MusicMan」のヴァンへイレン・シグネイチャーモデルを使用するなど、様々なギターを模索し始める。
松本孝弘いわく「初めて買ったギターがGibsonのレスポールのコピー品で、Gibsonには憧れがある」
とのことで、「Don't Leave Me」ではレスポールを使用したものの、あまりのビンテージ品でライブに使用できるほど状態がよくなく、この頃は様々なギターが使用され始めたそうだ。
■第一の奇跡が起きる!
KNOCKIN′“T”AROUND 松本孝弘 Rooms Records 1999-04-14 by G-Tools |
そして第一の奇跡が起きる!
松本氏のソロギターアルバム「KNOCKIN' “T” AROUND」
このアルバムがリリースされた1999年に、なんとGibsonからシグネイチャー・モデルギターが制作されたのだ。
これは世界的にも非常に名誉なことで、レッドツェッペリンのジミーペイジをはじめ、何と世界でも11人しかいない、Gibsonレスポールシグネイチャーモデルを授与された一人なのだ!
これがアジア圏となれば彼一人と云う大変名誉な事。
これを期に、松本孝弘のメインギターはGibsonレスポールとなり、世界から注目が集まり始める中、各国のアーティストともコラボレーションが行われていくようになる。
・初のコラボは「スティーブヴァイ」というギタリストのこのアルバム、「The Ultra Zone」の「ASIAN SKY」でB'zとして参加している。
松本孝弘はスティーブヴァイとギター合戦をとてつもないレベルで繰り広げ、稲葉浩志はコーラスというかたち(実質ボーカル)で参加している。
Ultra Zone Steve Vai Sony 1999-09-09 by G-Tools |
・Brotherhood
その後はさらにアメリカのモンスターロックバンド「MrBIg」解散後に、ベーシストの「ビリーシーン」、ドラムの「パット・トーピー」をむかえての、「ギリギリChop!」と、それを含むアルバム「Brotherhood」での成功がさらに功を奏していく。
ミュージックステーション出演時に、このベストメンバーでの「ギリギリChop!」の演奏を見た「TOKIO」のメンバーや「タモリ」が歓喜し、すげーすげーと目を輝かせていた「国分太一」氏の笑顔が何故か私は忘れられない。
Brotherhood 稲葉浩志 B’z Rooms Records 1999-07-14 by G-Tools |
■そして更なる奇跡であり日本ロック史上の常識を覆した伝説のロックバンド「TMG」!
TMG I (初回限定盤) JACK BLADES TMG VERMILLION RECORDS 2004-06-23 by G-Tools |
このグループ名は松本孝弘の尊敬する「マイケルシェンカー」のグループ「MSG」からきている。
とにかくメンバーがかなりやばく、松本孝弘の企画したこのグループは「伝説」となるために結成されている。
ボーカルは「Mr.Big」の「エリックマーチン」
ベースは「ナイト・レンジャー」の「ジャック・ブレイズ」
ドラムに「ブライアン・ティッシー」「シンディ・ブラックマン」
とその豪華さたるや日本のロック史上でも桁外れだった。
このバンド結成への結果も、ロックに対して真摯であり、流行り物の音楽作りをせず、歴史に残る音楽を、活動を心がけていたB'zのクリエイティビティーが世界レベルであった結果だと私は思う。
■B'z・松本孝弘のサントラワーク
松本孝弘がプロデュースし提供した楽曲を中心に解説していきます。
【松本孝弘ソロアルバム】
・Thousand-wave
Thousand wave plus 松本孝弘 トライエム 1996-10-07 by G-Tools |
実はB'z結成前のこのアルバムも非常によくTV等では使用されていて、覚えてる人いるかな?
・「タミヤRCカーグランプリ」のテーマ曲「タッチ・オペレーション」もこのアルバムに収録されています。(懐かしい)
・タイトルトラックの「Thousand Wave」では、後のアルバム「RUN」収録曲「RUN」のオープニングへの序章を聞くことが出来る。
・フュージョン界の巨匠「チック・コリア」の「Spain」のカバー
・小室哲哉が書いたアニメサントラ「Vampire Hunter "D" 」をカバーしている。
・Wanna-Go-Home
Wanna Go Home 松本孝弘 BMGルームス 1992-04-22 by G-Tools |
1992年の発売ですが未だに色あせず、よく聞いています。
ギター・インストアルバムとしてはオリコン史上1位の売り上げを記録。
「ギターの弾き方、音を出すにしてもただ弾くのか、チョーキングなのかスライドなのか、音の出し方そのものに、1音1音こだわって制作している」とは当時のインタビューでの松本孝弘のコメント。
非常にメロディアスで聞きやすく、ある意味これを超えられない? ぐらいの繊細さです。
◇収録されているテーマ曲
・ミュージックステーションのテーマ曲 「#1090 ~Thousand Dreams~ 」
この「#1090」とは収録に使用されたFenderストラトキャスターギターのシリアルナンバーであり「ストラトでこれ以上の逸品はもう出て来ないだろう」とインタビュー他で答えており、これ以外の曲で「#1090」や他のストラトが使われる事は少ない。
・ポテトチッツプスのCM 「'88〜Love Story」
・JTたばこCM 「Air Port」
・「Love Ya 」では飯島直子さんがコーラスで参加しています。
・このシングルも忘れてはいけないのが、「#1090」「LIFE」ともにアルバムとはバージョンが違う。特に当時放送されていた情報バラエティ「スーパーテレビ情報最前線」のテーマとして使用された「LIFE」はこちらのバージョンである。
#1090‾Thousand Dreams 松本孝弘 BMGルームス 1992-03-18 by G-Tools |
・KNOCKIN T AROUND
KNOCKIN′“T”AROUND 松本孝弘 Rooms Records 1999-04-14 by G-Tools |
このアルバムでは歌声も披露する等意欲的な展開も見せるが、注目はCX「F1グランプリ」のオープニングテーマを更新した曲「GO FURTHER 」
今でこそ元の「T-SQUARE」に戻ったが、「F1グランプリ」のメインテーマが変わることを良しとさせたインパクト、スケール感のある重厚なギターサウンドと、それを後押しするサポートメンバーに、「MrBig」のベース「ビリーシーン」「LUNA SEA」のドラム「真矢」と豪華すぎる内容。
・B'zとしてはこの年「Brotherhood」収録の「Fear」がF1公式テーマ曲としても使用された。
Brotherhood 稲葉浩志 B’z Rooms Records 1999-07-14 by G-Tools |
・F1のエンディングに使用された「Trinity 」は後にアルバム「DRAGON FROM THE WEST」に収録。こちらも泣きのナンバーで非常に素晴らしい。
西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST TAK MATSUMOTO Rooms Records 2002-02-27 by G-Tools |
・オリジナルサウンドトラック「すぽると」
CX「すぽると」ではアルバムがリリースされており、このオリジナルサントラにしか収録されていない松本孝弘のスコア「REDSUN」は必聴!
すぽると!MEMORIAL~Sweat and Tears~ 倉木麻衣 TVサントラ B’z GARNET CROW 愛内里菜 doa ZARD GIZA studio 2004-09-29 by G-Tools |
・アルバム「華」
華 | |
松本孝弘 Rooms Records 2002-02-27 売り上げランキング : 807 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
またこのアルバムではセルフカバーとジミ・ヘンドリクス名曲カバーに注目いただきたい。
なぜかスティーブ・ヴァイもMIXでクレジットされている!
・「ROMEO & JULIET "What is a youth" 」
この曲はまったく同じものが、このアルバムよりかなり前に大阪でインディーズ発売されたギター・オムニバスアルバム「GuitarMonstar2」にも収録されている。かなり泣ける至極のカバーである。
・七尾香さんに提供した曲「街」、「アノヒト」のセルフカバー「YouKnow」
・ジミ・ヘンドリクス「Little Wing」
【七尾香に提供し映画のサントラとして使用された名曲】
七音 七緒香 ZAIN RECORDS 1998-01-28 by G-Tools |
邦画「恋は舞い降りた」。唐沢寿明、江角マキコ主演のラブストーリー。七尾香はデビューと同時にこの映画の主題歌を担当し、楽曲のプロデュース及びギターで松本孝弘が参加している。
挿入曲としてB'zの名曲「いつかのメリークリスマス」が使用されている。
・不夜城
小ネタですが、映画「不夜城」にB'z「The Wild Wind」テーマ曲が使用された際、何とテーマ曲が収録されたサントラの方が、シングルより一週間も早く発売された珍事があった。
不夜城 サントラ Leon Daniels B’z Rooms Records 1998-06-27 by G-Tools |
・代表取締役刑事
代表取締役刑事のOPテーマ「孤独のRunaway」は松本孝弘と稲葉浩志によるプロデュースで、元KIX-Sの安宅美春がギタリストとしてデビューした際に提供した曲である。この事はいまだに知らない人も多く、実はCDリリースされているのだが松本孝弘やB'zとして探しては見つからないのだ。
【TVゲーム】
この曲はEAのTVゲーム「バーンアウト・ドミネーター」で使用され、この曲が含まれたアルバム「ACTION」では「FRICTION -LAP 2-」としてバージョン違いが収録されています。
EA:SY! 1980 バーンアウト ドミネーター by G-Tools |
ACTION B’z VERMILLION RECORDS(J)(M) 2007-12-05 by G-Tools |
【本格的なサントラワークと和製ハンス・ジマー!】
ULTRAMAN サントラ;TMG VERMILLION RECORDS 2005-07-20 by G-Tools |
「ウルトラマン」を大人目線でリアルサスペンスSFとして制作された、「ULTRAMAN」のサントラ盤がそれ。
これ例えるならハリウッドのスコアメーカー「ハンス・ジマー」的制作方法で、松本孝弘がメインテーマ等々を作り、そのアレンジを元「PAMELAH」のギタリスト「小澤正澄」が担当しているのだ。
ハンス・ジマーとハリー・グレッソン・ウィリアムズみたいな関係だと私は思う。
なのでサントラでは2人のギターバージョンのアレンジ違いの曲が収録されており、ギターの音色の違いや癖の違いを楽しむことが出来る。松本孝弘の音色は明らかにやわらかくウォームな歪で、小澤正澄はギラついたディストーションサウンドなのだ。
サポートメンバーもすばらしくシンセサイザーに稲葉浩志ソロアルバムや数多くのビーイング・ミュージックを手がける池田大介、鎌田真吾らが参加している。
・さらにこの映画のエンディングテーマは松本孝弘率いる「TMG」より提供という完璧な松本孝弘サウンドスコアである!
「NEVER GOOD-BYE 」
■サントラ未リリース
アニメ映画「北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」「北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章」テーマソングを担当するも、テーマ曲のリリースはいまだされていない。
※松本孝弘のインスト、「Theme from Fist of the North Star ~The Road of Lords~」のみが未リリース。
B'zとして提供している「ロンリースターズ」と上木彩に提供した「ピエロ」はリリースされている。
■映画音楽へのリスペクトアルバム
映画という事でいうと、松本孝弘自信のギターミュージシャン専門レーベル「House Of Strings」からリリースの、「Theatre Of Strings」がいい。数多くの映画音楽を複数のギタリストがオムニバスでカバー。
メインギタリストである松本孝弘は「燃えよドラゴン」「ゴッドファーザー」「サウンド・オブ・ミュージック」の3曲をカバーしている。
Theatre Of Strings 春畑道哉 増崎孝司 大賀好修 松本孝弘 VERMILLION RECORDS 2005-10-19 by G-Tools |
・アルバム「House Of Strings」では「ウルトラマン」「ブラックジャック」のテーマもカバーしているが、このアルバムでは同明のオーケストラコンサートをしていたにもかかわらず、ストリングスがシンセに変更されており、いまいち盛り上がらない。
HOUSE OF STRINGS 松本孝弘 バーミリオンレコード 2004-11-24 by G-Tools |
オーケストラとのコラボに関してはYoutube!に貴重な映像があるので、これぞ松本孝弘の至極の名曲でこの記事を終わりにしたい。曲は記事冒頭でお話した松本孝弘、B'zにとって「音楽活動の転機になった」アルバム「The 7th Blues」収録の「Strings of My Soul」である……
THE 7th BLUES Kohshi Inaba B’z BMGルームス 1994-03-02 by G-Tools |